阿美の本棚

阿美の好きな書籍の言葉や、最近好きな「鬼滅の刃」に関するレビューや考察(ネタバレしています)を書いています。

アニメ「平家物語」1話『平家にあらざれば人にあらず』

待ちに待ったアニメ「平家物語」が始まりました。

今年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」もはじまり、昨年末からNHKオンデマンドで「平清盛」も視聴できるようになりなんだか海の底の民としては(大河ドラマ平清盛」を愛するTwitterの人たちの事をこう言います)嬉しい限り。

 

滅亡するまでの15年を琵琶法師の娘「びわ」と清盛から棟梁の座を譲られた嫡男「平重盛」との視点で描かれているようです。

 

こちらでは大河ドラマ平清盛」ではどうだったのかなども紹介したいと思います。
(補足として滅亡直前までの経緯は各トピックのレビューのURLで紹介したいと思いますのでご参考ください)

 

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成長したびわのシルエットに登場人物たちの姿と沙羅双樹の花が素敵なポスター

 

平家の家紋でもある揚羽蝶沙羅双樹の花、まさに平家物語が始まったという感じですね。

 

京の町、野良犬が吠え、道には死体があちらこちらにあったりする。まさにこの時代の平安京は決してみやびとは程遠い、疫病や貧困などで死体などもゴロゴロあったりと町は綺麗ではありませんでした。

 

親子連れが歩いていると「そこをどけ」と声が聞こえる。

おかっぱ頭に赤い直垂を着ている子供たちが走り去るのを見て子供が父親に話しかける「禿(ここでは「かぶろ」と言っていますが「かむろ」とも言います)か」

 

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禿は12~15,6歳くらいの親を亡くした子供たちが多かったようです

 

禿達はある家の中に入り、妻を捕まえようとする。

それを見た子供が止めようとするのを父親が止めるが「でもあんなひどいこと」

それを聞いた禿はその親子の元へやってきた。

「お許しください何卒。子供の申したことです」と父親が子供をかばうが、庇ったために自分が斬られてしまう。

 

父の返り血が子供の左目に飛び、慌てて手で隠すが右目は特殊能力なのかいろんなものが見える。

 

琵琶法師が平家物語をうたっている…印象的なシーン。

 

そしてOPが始まりました。

平家物語の「平」の文字の一部が主人公のびわの目の色と同じになっています。

このOPを見ていると平家一門の皆々様がたくさん登場してこれから始まる悲劇も感じられないような幸せな日々が描かれてうるうるしてきちゃいました。

 

歌詞を聞いているとこれから平家の行く末、華々しかったころの一門の皆様の幸せな時間、琵琶の目線で語られているような歌詞に涙が出てきます。(平家好きにはいろんなシーンが浮かんできて…)

 


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平家の皆様が宴を催しているようです。

これは清盛様が大病をして、奇跡的に助かり回復したのち、出家しての快気祝いと出家祝いあと新年を祝っての宴という感じみたいです。

 

白拍子が舞を舞って、ごちそうに舌鼓を打ち、清盛様は時子様に甘えております。

そんなところに時子様の弟・時忠様がご挨拶にやってまいりました。

 

やはりお調子のよい時忠様です。

時子様の機嫌を直そうとおどける清盛様に重盛様や徳子様は呆れ顔(笑)

「兄上、その入道姿お似合いですな。昇る朝日にございましょう。もはや平の一門は、栄華を極め、重盛殿は内大臣の左大将、知盛殿は三位の中将、維盛殿は四位少将。一門の公卿は6名、殿上人34名、諸国の衛府の役人64名66か国のうち平家が領地として治めておるのが34か国。国を治めむるのに平家以外にはおらぬのかとというほどののぼりつめ方、この平家の一門でないもの、人にあらず」わっと湧き上がる声。

 

「平家に非ずんば人にあらず」という言葉、平清盛の発言だと思っている方が多いのですが、違います。アニメにもあったとおり「平家の一門でないもの、人にあらず」といったのは平時忠です。

 

宴が終わり、清盛入道と重盛様。生真面目な重盛に対して「(人間として)おもしろうない」と言われちゃいます。そしてある模型を見せられます。

 

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入道様の考えがわからず戸惑うばかりの重盛様なのです

 

それが厳島神社。これを作ると、自分たちが栄えたのは海のおかげだと。

1.安芸の守として莫大な富を築き、武力を蓄え

2.そなたが武功を挙げた先の戦では後白河法皇側について勝利をもたらした

 

そして清盛様は福原に移り住む。驚く重盛に福原には海がある、大きな泊を作り宋との商いをする大宰府ではなく福原で行う。

これからは重盛が平家の棟梁だと言われる。

 

1.安芸の守の時、清盛様は大型船を瀬戸内海をスムーズに通れるようにするために音戸の瀬戸開削をしました。

2.先の戦とは平治の乱の事だと思うんですけど、ちょっとセリフ的におかしいのですよね。ごっしー側についた戦いは保元の乱となります。まぁ、保元の乱の時も確かに武功を挙げられてはいましたのでそうなのかな?むむぅ…?

 

福原は今の兵庫区平野周辺。大輪田泊のあった周辺に今現在イオンモールが出来ています。みんな帰路につき、重盛様もほっと一息。

 

「わが父、忠盛は武士でありながら初めて昇殿を許されて殿上人となった。銀箔を貼った竹光で周りの者を威嚇した。おもしろかろう?」

「私は面白くありません…」

 

夜空を見上げていると雪が降ってきました。何気に重盛様の右目に雪が入り左目から多くの鎧を着た兵士たちの姿が…」

 

するとどこからともなく琵琶の音色が…

音のする方へ行くと子供が琵琶を弾いている。

「教えてやりに来た。お前たちは時期に滅びる。自分には見える」と。

実は重盛様も見える。彼には死んだ人が見える、子供を見て平家の者が父親を斬り捨てたこともわかった。この時さりげなく水仙の花がアップになっているのもなんだか海の底の民としては胸熱な描写だったりします。

 

子供に向かって膝付き謝る重盛様。

小さな子供に対しても誠心誠意尽くす重盛様。お労しいです…

 

明かりの描写が美しいと同時に女御たちが「あれぇ~」(笑)

子供の頭にはシラミがぴょんぴょんしております(笑)

そして、お風呂(この時代は湯舟ではなく、蒸し風呂ですね)できれいにしてもらいましたが、男の子の服を着ていたけれど実は女の子ということが判明。

 

しかし、女の子の服は着たくないということで変わらず男の子の姿のまま過ごすことに。そしてよく食べる。みんなその食欲に驚きます。

彼女の名前は「びわ」。しかしこれは親がつけてくれた名前ではない。

父親から名前を呼んでもらったことはないと。自分は琵琶が好きだから「びわ」という名前を付けたんだと。琵琶が好きだ。おとうの次に…という言葉の時のびわの口元が上にキュッとなる感じがいいですよね。

 

重盛様はしばらく屋敷に住んでほしいとお願いする。

「私のためにも、びわ、そなたはここにいてほしい。そなたの見えるものを教えてほしい。そうすれば我らが滅ぶのを止められることが出来るやもしれない」

「いやだ。先は見ん。おとうが見るなと言った。見てはならんと」

 

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重盛様の子供たち。左から維盛・資盛・清経・有盛

 

重盛様の子供たちがあいさつにやってきました。

維盛、資盛、清経、有盛。

びわを紹介する重盛様。

「何者ですか?」と資盛様。

「今日からこの屋敷に住まう、お前たちの遊び相手だ」

「武士の子ですか?」

「琵琶法師の子だ」とびわ

「ふっ(笑)下賤の子か(ここでは身分の低いという意味)」

そういわれたら腹立ちますよね、資盛様に食って掛かろうとするびわ

必死で止める重盛様、この時のびわの表情が可愛いですね。そんな騒ぎの時でも維盛様は冷静です。

 

びわ殿、よろしくお願い申し上げまする」ととても丁寧なご挨拶。

目下で身分も低い立場のびわに対して、多分父上が連れてきたということもあってか「~る」使いですからね、「~る」を語尾につけるのは自分より目上や立場が上の相手に対してですからね。普通なら資盛のようにため口でいい相手なのに。

 

平安時代に限らず戦国時代でも言葉づかいで相手の立場などがわかるので知ってると人間関係などがよくわかって時代劇もより楽しめますよ。(年齢関係なく役職などで年下でも官位などが高ければ年齢高くても相手には敬語になりますしね)

 

色んなことを維盛から教えてもらうびわ。資盛も相変わらずちょっかいを出すけれど、それもまた楽しい日々という感じで、季節も移ろっていきます。桜を見ながら桜餅を食べるびわ。桜餅がびろーんとなってるのが何だかかわいい美味しそう。そんな子供たちともなじんでいるびわたちをみて微笑ましく思う重盛様。

 

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蛍の光が重盛様の切ない気持ちとリンクする

 

蛍の季節…びわの引く琵琶を聞く重盛様。

同じようにオッドアイびわと重盛様(これはあくまでもアニメでのお話)

びわの目が美しいという重盛に自分は怖いというびわ。実は重盛も同じ自分の目は怖いと。

 

季節は秋になり、屋敷に徳子がやってきた。徳子は平清盛の娘で重盛の妹です。

資盛は鷹狩の練習。

徳子様に声を掛けられ女だと見破られてしまうびわ

福原から清盛入道がやってくるとのことで俄然張り切る資盛。鷹狩でいい獲物を捕らえてくると。

 

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徳子様に女の子と言われ戸惑うびわ

 

徳子と話をしていると突然風が吹いて、思わず片目をつぶってしまう。

そこには海でおぼれる徳子の姿を見てしまう。

 

そして鷹狩から戻ってきた資盛はボコボコ状態。

急いで帰りたいがために摂政の牛車を譲らなかった為。

子供とはいえ、礼儀を欠いたそなたが悪いと重盛。いい気味と思うびわ

摂政様には自分が誤りを入れようと言う重盛に対して清盛入道様が「わしに考えがある」と。

 

ある時、摂政様が牛車で移動中の時、平家の者に襲われ、一部の人間は髻(もとどり)を切られたりと報復されました(殿下乗合事件)

 

困る重盛様に清盛様は「おもしろかろう?」と気にかけず。

 

「好き放題しおって!俗世を離れ都を離れそのまま枯れてゆくものと思っていたがこれでは朝廷の面目がまるで立たん!天皇の摂政があれほど馬鹿にされたのだからのう!」

 

最後の最後に怒って登場したのはごっしーこと、後白河法皇(笑)と慈子様ですね。

 

あくまでも「平家物語」の中なので殿下乗合事件の事も平清盛が行わせたということになっていますが、事実は重盛様がブチ切れてやらせたんですけどね、でも重盛様って良識人で優しいお方というイメージがあったので、まさかあんなことをということで物語的に清盛様が悪者になっております(笑)(以外と重盛様も短気なところはおありだったようです)

 

今回、物語でピックアップされた主な内容は

・禿の台頭

・平家に非ずんば人に非ず

音戸の瀬戸

保元の乱平治の乱

・殿上の闇討ち

・殿下乗合事件

 

大河ドラマ平清盛」レビュー参考(時系列順)

第4回殿上の闇討ち

第21回保元の乱

第26回平治の乱

第35回わが都、福原

第37回殿下乗合事件

第38回平家に非ずんは人に非ず

第39回兎丸無念

 

という感じになっております。