アニメ「平家物語」2話『娑婆の栄華は夢のゆめ』
資盛が天皇の摂政に無礼を働いて制裁を受け、それに清盛が報復したことで、平家に対する批判が噴出する。
重盛は資盛を伊勢に謹慎させ、自身も職を辞することで少しでも批判を治めようとするが、それがおもしろくない清盛。
殿下乗合事件の後始末というか資盛はひとまず伊勢に行くことに。
経子様は心配でならない様子だけど仕方ない…
重盛様はびわを連れて清盛様の屋敷へ報告に来ています。
相変わらず堅物な重盛に清盛様は「相変わらず面白うないのう…」
殿下乗合事件後、平家をよく思わない人たちが増えたと嘆く重盛だけど清盛様はあまり気にしてない様子です。
逆に気苦労かけたから何かプレゼントしようと、重盛様の好きな灯篭はどうかと。
重盛様は別名「灯篭大臣」と言われたりもして、この作品の中では、暗闇が怖くてという感じで描かれています。
「そんなに闇が怖いか」という清盛様にくってかかるびわなのです。
いやぁ、この時のびわも可愛いね。本当に誰に対しても言葉遣いも何も変わらないねぇ~。でもそれがまた逆に清盛様の興味をそそっちゃうんですよね(笑)
こういう子がそばにいたらそれこそ、面白いですもんね~。
くってかかるびわを必死に止める重盛様、そして時子様もいい加減にしなさいと清盛様に喝を入れちゃったりして(笑)この時のBGMがなんか面白いねぇ~
そこへ徳子がやってきました。
徳子の部屋でびわはお菓子をいただいてモリモリ食べながら徳子のお話を聞いています。火鉢も漆塗りで素敵なものですよね~。この時、「あぶり餅」などを美味しそうに食べていますね。(あぶり餅は京都の今宮神社の参道にお店があって食べることが出来ますよ)本当にびわの食べている時のリアクションが可愛いですよねぇ~どれも美味しそうだし♪
びわが来たのは徳子様が重盛様にお願いしたみたいね。
非礼を詫びる徳子様。
6年前、妹の盛子が嫁いでから気の許せる話し相手がいなくて…
盛子は9歳で藤原基実殿のお嫁さんになったの。基実殿には別の方との間に5歳になる息子もいたのに。政略結婚ね。でも結局基実殿は盛子が嫁いで2年後に亡くなられてしまったの。盛子は12歳で未亡人。しかも血の繋がらない息子の育ての親になった。
基実殿は資盛が挨拶しなかった基房殿の兄上よ。それで実質、盛子が藤原家の所領や財産を手に入れることになって、基房殿はそれが面白くなくて、資盛はあんなひどい仕打ちを受けたのかも知れないわ。
子供たちはあくまでも父の野望の駒に過ぎない、そしてそれは自分たちだけではないと徳子。
白拍子が清盛様の前で舞を披露しています。
私もねぇ、嫁に行かないといけないみたい。16より6つの下の男の子。しかもその父上は…
オールナイト今様大会の後みたいでのどが痛くてニラ湯を飲んでいますが、憲仁様は「父上臭い」と言い、体が悪いのも今様の歌い過ぎだろうと言われる始末。可愛い息子には頭の上がらないごっしーです。
徳子の入内はごっしー的にはあまり気の進まない話ではあるけれど慈子様に、憲仁様には強力な後ろ盾が、平家の力がいるのですと言われる
「しかし、かえって奴の思うようにされては…」
「そこはあなた様がしっかりなさってください。今様でいえば清盛公はかたつむりです」
ここできました「舞え~舞え~かたつむりぃ~♪」が(笑)
今様は歌詞はごっしーが「梁塵秘抄」として残していますが、一体それがどんな歌(作曲)だったのかということは残されていませんので、作品によっていろいろな歌い方があります。
徳子はびわに色々話を聞いてくれてありがとうと。びわも徳子が大好きみたいですね。でも気にかかるのは以前見た海の中で苦しむ徳子の姿。
びわが帰ろうとすると同じタイミングで白拍子がやってきました。
思わず白拍子に対してびわが「おっかあ」と言ってしまいますが、それは祇王と祇女。
1話で登場して舞っていたのが祇王だったんですね。鼻の下を伸ばしてる清盛様を見て時子様があんな表情をしていたのですね~(笑)
どうやらびわの母親も白拍子だったみたい?びわの父親がそう言っていたそうです。
徳子様に挨拶をして屋敷の中に入っていきました。
「仏御前の話し相手に来たのね。前はね、父上のお気に入りは祇王殿だったんだけど、仏御前という白拍子を贔屓にし始めて祇王殿を追い出したの。なのに仏御前は話相手がいなくて寂しがっているからって、また屋敷に呼ばれるようになったのよ。父上だもの、断れば何をされるか」
祇王たちは清盛様に見初められて手元に置かれるようになりましたが、仏御前は自ら清盛公のところに今でいうところ売り込みに来て気に入られたんですよね。今日1日でいろんなことがあったびわなのでした。
夜…重盛様雪を見ながらびわに話しかけています。
自分は暗闇が怖かった。見えるせいかもしれぬがな。
びわは何かしてるね。雪で兎を作ってたのね。寒さでお鼻も指も赤くなってるね。
「びわ、そなたは何が恐ろしい?」
「…さき…わしは、さきが恐ろしい。」
「そうか。先も闇も恐ろしくとも、今、この時は美しいのう…」
このアニメで一番ダメな描写は重盛様の屋敷のシーン。
烏帽子を脱いでいること。これはいけません。
平安時代、男性は基本的にどんなことがあろうとも烏帽子を脱ぐことはありませんでした。特に人前でなんてありえなかったと思います。
当時、成人した(元服も含む)男性は(坊主は別だけど)烏帽子をかぶってないと「人間」としてみなしてもらえませんでした。烏帽子を脱ぐということは下着を着けず下半身露出していることと同じとみなされていましたので、寝るときも付けたままが基本でした。
これはその時代時代で色々変化があって髭がないと恥ずかしいという時代もあれば月代をしていないと恥ずかしいという時代もあったりしますが、平安時代は烏帽子は重要アイテムでした。だから殿下乗合事件の時に摂政様の家来が髻を斬られたということは男性器を斬られたのと同じようなことになりますよね。恐ろしい事です。
重盛様はごっしーに殿下乗合事件の事後報告にやってきたようです。
責任を感じた重盛様は役職を降りると。あとは弟の宗盛様にお願いすることにと。
あくまでも自分は法皇様に忠義を尽くすと。
夜、慈子様と双六に興じるごっしー。
重盛は律儀な人間だというごっしーに、慈子様
「あの方だけは平家の良心と言われています故、武士としても名高く、平治の乱では…」
出ました、重盛様の名言「年号は平治なり!花の都は平安城!われらは平氏なり!平の字が三つ揃って、此度の戦に勝たん事、何の疑いやあるべき!いざ、参る!」(アニメは端よっておりますが)櫻井さんの声がいいですよね~重盛様カッコいいです。
「しかし長男ではあるが、重盛は」
「時子殿の子ではない」
「昨年、尾張の国を治める藤原成親が延暦寺と揉め、成親の流罪を求め、延暦寺が強訴してきた折、戦うよう命じたのだが、何かと目障りな延暦寺の勢力を削ぐ機会だったのに、私に命令とはいえ、平家は延暦寺を敵に回したくなかったのだろうなぁ、そう考えたのは(清盛の顔が浮かぶ)」
いずれは重盛が棟梁になるし、ごっしーに忠義を尽くすそして、徳子が入内すれば平家が憲仁を守ることになるんだからと慈子。
「賽を振るのです」
「思うようにならぬのが”賽の目””鴨川の水””山法師”とはよく言ったものよ。さて、平家はどうなることよ」
この言葉も有名なことです。
ある日、びわは琵琶を担いで再び六波羅(清盛)の屋敷へ呼ばれたようです。維盛様は相手をしてくれる人がいなくて寂しそうです。「戻ったら相手をしてやる」ってどこまでも上から目線(笑)
「偉そうに…」
カチンときたびわ。わっ!と維盛様を驚かすと同時に鳩がバタバタと驚いて飛び立って、維盛様もびっくり。これはのちの「富士川の戦い」の伏線ですね。
六波羅に到着し、徳子と再会するびわ、徳子に会うのがすごくうれしそうなびわです。
そこには同じく徳子に呼ばれたと思われる祇王の姿も。
びわの琵琶の根に合わせ舞を披露する祇王。そんな彼女の舞にびわもおもわずうっとりしていましたね。終わって走って祇王のもとに向かうびわ。
またも美味しそうにお菓子を食べるびわ。
祇王が母から昔、びわみたいな目の色の違う白拍子の話を聞いたことがあるという話を聞かされるが、結局居場所などんな人だったまではわからないと。徳子もそれを聞いて自分も周りに聞いてみるからと。
「いつかきっと会えるわよ」とういう祇王の言葉に
「いつか…というのはいい言葉だな。明日、明後日、先のことが少し楽しみになるの」
これはびわにとって少し希望を感じられる言葉になりましたね。
そして祇王は仏御前の元へ。びわはまた祇王に舞を見せてとお願いします。
「また今度もいい言葉ね」と祇王。
季節が廻り春がやってきました。
ぼんやり庭を見てるびわに声をかける維盛様。すると徳子様がやってきました。
いきなり徳子に「また今度は?祇王のまた今度は?」と尋ねるのだが浮かぬ顔のの徳子様。実は祇王は・・・
祇王は妹と母親ともども、出家をしました。
色々あったけれど出家してようやく心穏やかに過ごすことが出来ると祇王。でもびわとのまた今度という約束が果たせなくなったことを謝る。
祇王の元から帰る途中、女性をすれ違う。思わず彼女の未来を見るびわ。
彼女は仏御前。祇王たちのいる庵へやってきましたが、驚くことに彼女も剃髪して尼となり祇王達の元へやってきました。
この時タイトルの『娑婆の栄華も夢のまたゆめ~」という語りが入りました。
一見、寂しいような、そんな感じを受けるかもしれない女性たちの末路にも思えることも、びわにしてみたら、心穏やかに片寄せあいながら4人が生きていく姿にホッとしたような未来が見れて嬉しそうでした。
彼女らの終の棲家が京都嵯峨野にある「祇王寺」です。
その夜…
「明日、明後日、これから、この先、ずっと先、もっと先、良い事もある。仏御前も祇王も澄んだ顔をしていた。徳子にも教えたい。」
「徳子は入内が決まった。この年末、天皇家に輿入れをする。」
忙しくて連絡できなくて申し訳なかったと徳子に、必死で行くのを止めようとするびわ。
「行くな!やめてぇ~」と追い縋るびわ。彼女には徳子の未来が見えるだけに、何とかして変えられるものなら変えたいと思っているんだろうけど…
「ありがとう、びわ。でも私は大丈夫、これからだってあえなくなことはない、また今度」そしてまた風が吹き未来を見てしまうびわ。
断片的に見えるのは悲劇的なもの。大好きな徳子の悲しい運命を…
最初は父親を平家の物に殺されたということもあって、いろいろ思うところもあっただろうけれど、時間をかけて平家の人たちと生活を共にしていくにしたがって徐々に心境の変化も出てくるだろう、そんなびわにとって、これからますます、苦しく悲しいことが平家に降りかかってくると思うと、どうなっちゃうんだろうと思います。
さて、次回は「鹿ケ谷の陰謀」です。徐々に重盛様の胃痛が…
あくまでもドラマの内容なので完全なる史実とは違いますが参考になりますので紹介しております。
第27話「宿命の対決」(重盛様の平治の乱での活躍に関して)
第32話「百日の太政大臣」(盛子に関しての話)
第36話「巨人の影」(藤原の成親と延暦寺の強訴などに関して)
第47話「宿命の敗北」(富士川の戦いに関して)