阿美の本棚

阿美の好きな書籍の言葉や、最近好きな「鬼滅の刃」に関するレビューや考察(ネタバレしています)を書いています。

アニメ「平家物語」8話『都落ち』

清盛の死を受けて動揺する一門を離れ、母探しの旅に出たびわは、各地で平家と源氏の戦の状況を耳にする。
奮闘する知盛や重衡らを尻目に、頭領の宗盛は京で宴三昧の日々を送っていた。
源氏側につく者が増えるなか、維盛は木曽義仲に大敗を喫し、引き返せないほど精神的に追い詰められていく。

 

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少しでもおかあの手掛かりがあってよかったね

 

祇女の庵にやって来たびわ。仏御前も祇王も母親もすでにこの世にはなく、祇女1人となっています。しかしある白拍子からびわと同じ目をした女の人を見たことがあるという情報があって、詳しくその方に手紙を送ってみようと言ってくれ嬉しそうなびわなのです。

 

内裏では安徳天皇が敦盛様の小枝の笛を吹こうと一所懸命です(笑)

それを微笑ましく見ている徳子様と清経様と敦盛様ですが笛をしゃぶる帝に慌てる敦盛様。内裏ということなので2人もちゃんとした装束で来ています。

 

どうやらびわの行方が気になって訪ねてきたみたいですが、徳子様の所にもびわは来ていないようです。一目会いたかったけれど、もう自分たちとかかわらない方がびわの為なのかもと徳子様。

 

一方、そのびわといえば市井で琵琶を弾いて日銭を稼いだり、食事を施してもらったりしてたくましく生きております。とりあえず、母親の手掛かりから越後に向かっている途中のようです。

 

近くにある墨俣川で源氏と平家の戦いがあって、逃げた源氏がうろついているから道中くれぐれも気を付けてと言われております。

 

頼朝が負けたと落ち込んでいますが、政子に「次は勝てばいいのです」とはっぱをかけられるんだけどどうもイマイチ士気がないというのか…同じ源氏の義仲が木曽で着々と勢力を増している、ましてや頼朝は源の棟梁なんだからもっと頑張らないとと言われております。

 

その話に出てきた義仲はまるで野生児って感じ?

頼朝とは見た目も性格も真反対って感じです。頼朝が墨俣川で負けたという話を聞いて、自分も平家と戦うと兼平に言っています。兼平は義仲の乳母子(幼馴染みたいな感じですが、生まれながらにその人に仕える側近中の側近みたいな人って感じ?)

 

義仲は頼朝と世間に源氏には2人の将軍ありと示してやると言っておりますが、頼朝にとってそれは許されない事(2人の将軍なんていらない)なんですよね。まぁまだこの時には後々の自分の行く末なんてわかっちゃいないんですけど…

 

巴御前もやる気満々ですね~

なんだかわくわくが止まらないって感じの義仲軍です。

 

一方京の平家一門…

知盛様、重衡様、維盛様が宗盛様に今後について話をしておりますがイマイチ宗盛様は自分が平家の棟梁だという自覚が薄いと申しましょうか…(汗)維盛たちも獅子奮迅の働きをして源氏との戦いも一進一退という感じですが、一方で義仲がどんどん勢力を広げて行っていることに知盛様は危惧しております。

 

維盛様が兵を率いて北陸に向かうと言っております。重衡様の意見を聞く宗盛様。

「維盛の申すとおりではありますが、しばらく様子を見ては」

義仲を追悼するはずの越後の守は急に亡くなったと宗盛様、そしてびわは越後に到着してある僧に話を聞いておりますが、まさにその越後の守の所にいた側室だった浅葱の方という女性がびわと同じ目の色をしていたみたいだけど、越後の守が亡くなった後、京へ戻ったという話。折角っびわがやって来たのにまたも京へ戻らねばなりませんね~。

 

秋のある日、宗盛様はなんだか宴を催しておりますが、維盛様は今こんなことしてる場合かって感じです。宗盛様の危機感のなさを重衡様に嘆いております。

「このままでは義仲は、頼朝より先に京へ上ってまいります。それだけは防がねばなりませぬ。」棟梁が変われるものなら知盛様とか重衡様に変われればいいけれどそう言うわけにもいかないんですよね~。

 

清経と敦盛様は宗盛様が開催する予定の曲水の宴の練習をしております。それを不思議そうに見てる資盛様。曲水の宴とは庭園の川に盃を流し、自分のいる場所に到着するまでに歌をよむという遊びで、京都の城南宮の庭園にて毎年恒例行事のようになっている雅な遊びです。

 

敦盛様は今、維盛様は兵を率いて木曽の義仲を討つため戦っておられますのに、一方でこんなことしてていいのかって思っているみたいです。

 

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平家として戦前の身だしなみも大切ということで…

維盛様は富士川の戦い以降、これではだめだと自分に言い聞かせ必死で戦っているんですよね。そしてこのシーン、戦支度で維盛様がおしろいを縫って紅を付けている様子があります。平家の公達の方たちは武士というよりも貴族という気持ちが強かったのかもしれませんね。おしろいを付けて紅を付けて、鉄漿などもしたりして戦に向かう人は結構いて、それがその後の戦いの時に色々あるわけです。

 

維盛様は初陣のシーンの時からきちんとお化粧して出陣されておりましたね。

敦盛様も戦に行きたいみたいですが資盛様は自分は曲水の宴の方がいいって、清経様に嫌味を言われ「俺は力を使うより、頭を使う方が好きなんだよ」なんて言っちゃってこれまた清経様に「使ってるように見えない」なんて言われちゃいました(笑)そこに割って入るのが敦盛様。維盛様のご武運を祈ろうと。しかし清経様もまだまだ油断しきっております。相手に比べたら兵力は平家の方が多いので大丈夫だろうと。

 

平家の群を山の上から見ている義仲、いきなり名乗りを始めました。

これには維盛様もびっくり。相手あ名乗りを上げたからには自分もちゃんと返さねば失礼とばかりに名乗りを上げようとするけど、声が最初でなくて、ちょっと照れちゃって言い直すしぐさが可愛くもあり、切なくもありって感じです。

 

そして義仲は明日そっちに行くから待っとけよ!と宣言しております。

この時代、戦いの時、まずは名乗りを上げます。そして力のある武将は1対1で戦いほかの人たちはその勝敗を見ています。この時維盛様達も義仲はなかなか戦の礼儀をわきまえていると思ったみたいですが、実はこれは彼らの作戦のひとつだったのです。

 

平家も陣をはって翌日の戦いに備えます。

ここで登場したのが清盛様の母違いの弟の平忠度(ただのり)様。ちなみに清盛様との年齢差は26歳です。いやそんなことよりも…しかーし!何ですかこのキャラデザはと一言言いたかった。

 

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左側の前から2人目が忠度様、1人目が行盛様です。

行盛様というのは平基盛様の息子さんで、基盛様は重盛様と母親を同じくした弟(清盛の次男)で24歳の時に宇治川を渡っている途中で亡くなりました。(維盛様とは従弟ということになりますね)

 

和気あいあいな雰囲気の中、維盛様は義仲に対して北陸を制した相手、ゆめゆめ侮られないようにと釘を刺します。夜明けとともに兵を進めようということ。とにかく土地勘がないのでここよりも平地に出たほうが戦いやすいだろうということで本日は早く就寝することに…

 

義仲の作戦通りに事が進んで言うようで、夜中、どこからともなく勝鬨の声で目が覚める平家陣営。気が付くと周囲を完全に敵に囲まれてしまっています。これはヤバい!

慌てて、戦いの準備をするんだけど、義仲にしたらまさに「ニシシ」なわけです。

 

「まぁ、礼儀正しい奴らにゃおもいつかねえ戦法だよな」と義仲、そう基本的に源氏特に義仲や義経が率いたメンバーにとっては、礼儀なんて関係ない。勝つことがすべてどんな手を使ってでもね。(それがのちのち頼朝に信頼を得られない事にもなるわけだけど)

 

これから、義仲たちは平家軍を谷に追い込んでいきます。

夜ということ、平家軍に土地勘がない事、周囲を囲んで谷の方にしか逃れられないようにし、兵を谷に堕ちるように仕向ける。以前宇治川の橋の戦いの時と似ているかも?あの時も前方が見えないので橋板が抜けていることがわからない後ろの兵たちはどんどん川に落ちていったのと同じようなものですね。この時で兵7万騎失ってしまいました。

 

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牛に乗ってというのは創作のようですが…

 

これがいわゆる「倶利伽羅峠の戦い」です。

何とか維盛様や忠度様などは敗走することが出来ましたが、維盛様今回は「地獄だ」とまで言っちゃっています。もうお労しいとしか言えない…

 

宗盛様も焦っております。義仲が京へ攻めてきそうだということで、京の町も騒然としています。宗盛様、時子様が徳子様の元へ。そして帝と三種の神器を持ってひとまず福原へ向かおうと。頼みの延暦寺も清盛様が亡くなって、源氏の味方になったようです。

 

残る頼りは西にいる平家の味方を頼るしか今はない。ひとまず態勢を立て直しなし中に挑む方がいいと宗盛様。時子様が帝にお出掛けの支度をしようというけれど、行きたくないと駄々をこねます。まぁまだお小さいしね~。でもそこはさすが時子様、じゃあ母上(徳子様)と2人で行こうというと、帝も「われも行く。はよう支度を」可愛いねぇ~。でも切ない…

 

急いで身支度をする徳子様。ため息も出ますよね~

そしてそこに資盛様が伊子殿と一緒にいるのを見ちゃいました。

どうやら、2人の交際は順調のようですが、今回伊子殿は京へ残ることになりましたので、下手するとこれが最後になっちゃうかもしれない?

 

「京が源氏の都になるというのに…」という資盛様に

「いいえ、帝がいらっしゃるところが都よ」という徳子様、彼女の母としてのそして帝をお守りするという覚悟が凄いですね。徳子様も成長されているんですよね。

 

「ここでなくてもいい、帝と2人静かに穏やかに暮らせるのなら、それで」不安そうな安徳天皇

 

宗盛様、知盛様、重衡様も帝の出立を確認したけれどごっしーは夜中にこっそり鞍馬寺へ向かいそこへ匿ってもらうことに。なんてこったです。

 

敦盛様は、都落ちするのが不服のようです。正々堂々と京で戦いたいみたい?

資盛様が義仲たちを退けたとしても今度は比叡山の僧たちが攻めてくる、もしかしたら頼朝も来るかもしれないしって。

「我らが力を合わせれば源氏など倒せまする」そうだね。そうなんだけどねぇ~。

知盛様が出発すると言いに来たけど維盛様がまだ来てないみたい。

 

資盛様、清経様が屋敷に迎えに来ました。

維盛様は妻子とお別れしております。そりゃ子供たちは寂しいよね。

一緒に行きたいだろうけれど、維盛様にしてみたら危険な目にあわせたくないと少しでも生きていてほしいと思うばかりに家族は京へ残し、自分だけ行くことに決めたようです。

 

維盛様が泣いてらっしゃる(T_T)

「すまない…倶利伽羅峠であのように兵を失わなければ…すべて私のせいだ。一門の者に合わす顔もない。私が一緒に都を落ちるなど…」

「兄上のせいではありませぬ。それに我らは西にもう一度兵を挙げるのです。ただ、都を落ちるのではありませぬ。」

 

この時の清経様の口をぐっと結んで涙をこらえながらお話してるシーン、胸が苦しくなってきます。そんなにご自分を責めないでください維盛様。

 

そして、平家の屋敷をことごとく燃やしてから京を離れる平家一門の皆様。

「何も焼かずとも…(重衡様)」

「みすみす源氏に手渡してたまるか。奴らが京へ入った時は5万軒もの屋敷が灰になっておるわ(宗盛様)」

 

多分、今のJR京都駅一体に福原から戻った清盛様達は屋敷を作っていたので、この時焼いたのもこの周辺じゃないかと思いますが…

 

そして福原に到着した御一行様ですが3年の間にすっかり荒れ果ててしまった福原に戸惑いと一抹の寂しさを感じる御一行様たちです。ここから次に大宰府へ向かうことに。

 

徳子様もそこまでいけば義仲たちも追ってはこないだろうと。帝をお慰みする知盛様。

夜、浜辺にたたずむ清経様、そして敦盛様がやってきました。

あの楽しかった月見の事を思い出し、ナーバスになる清経様。

「京を出る前、維盛兄上が泣かれ、ご自分を責められ…兄上だけのせいではないのに、我ら平家が追われるように都を出て、こんな荒れ果てた場所で一夜を…どうしてこのようなことに」

 

しおしおしてる清経様とは違って敦盛様はいつもポジティブなお言葉をかけてくださっていますよね。年下なのに、しっかりなさっています。

 

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敦盛様…

 

「これからは我らが戦うのではありませぬか。」

「10万もいた兵が今は7000騎。これでどうやって義仲や頼朝と…」

「私は戦います。清盛様も、清盛様のお父上もそうして昇りつめたのではないですか。」

 

そうです、そうです。兵力が減ったからと嘆くよりも、もっと今後どのような戦をすればいいのかを考えていくことが大事ですよね。悲観ばかりしているといい考えも浮かんできませんよ。それに加えて敦盛様、彼だって戦いたいわけではないけれど、そういうことになればやはり平家として勝つために戦おうという思いがあるわけです。

 

少しでも心穏やかにと思って笛を吹こうとする敦盛に、清経は今はこの場所で聞く笛の音も悲しいと。敦盛様は片時も小枝の笛を放さずにおられますね。

 

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何も残さず旅立つ平家一門

 

翌日、一門の乗せた船が大宰府に向けて出港します。ここもまた燃やしてから行くことに。さて、平家の皆様は一路大宰府へ。

 

びわは京へ戻ってきたようですが、同じく義仲たち一派も都入りしたようです。源氏が京に戻って来たのは20年ぶりだとか。そんな話を聞きながら歩きだそうとするびわだけど、どこからともなく女性の声が…

 

源氏の兵が市民の米や物を奪っていこうとしています。思わずその光景を見て、昔禿達が平氏の悪口を言って連れ出されそうになっている時とオーバーラップしたようです。

 

びわの正義感がまだって見過ごせず、琵琶と猫ちゃんたちを置いて、女性に悪さしようっとする源氏の兵を捕まえますが足蹴にされ、今にも斬られそうになるびわ

 

その時、突然自分の手を引く人物が…琵琶と猫などもちゃんとほかの仲間らしき人達がピックアップしてくれてとにかくその場から逃げることに…

 

一体、この白拍子たちは何者?

 

いよいよラストに近づいてきました。最後、びわを助けたのは静御前みたいですね。

今までは平家の中からものを見ていたびわが今度は源氏を通して平家を見ることになるのかしら?おかあの手掛かりはあるのか?生きているのか?会えるのか?色々気になるところもありますし、このアニメは11話完結なんですよね?ということは物語もあと3話…

 

敦盛様の話は絶対あると思うし、重盛の子供達の行く末の話もあるんだろうね。戦いとしてはやはり一の谷の戦いや壇ノ浦の戦いは絶対あると思いますし、一の谷の戦いでは出てほしい人たちが沢山いるんだけどなぁ…

 

とにかく、どんどん追い込まれていく平家一門、びわも含め苦しい物語となりますがしっかり見届けなくては…