アニメ「平家物語」9話『平家流るる』
京を捨てて西に逃れる平家一門。入れ替わりで源氏の白旗がはためく京に戻ってきたびわは、静御前らとともに丹後をめざす。
後白河法皇が後鳥羽天皇を擁し、かつて重盛に仕えていた者たちも次々と源氏側に寝返っていく。
福原を落ち、大宰府からも拒否され、疲弊しながら歩き続ける一門は、とうとう海まで追いやられる。
笛の音色…夜の海…船の上で吹いているのは清経様?
びわはもりもりと食事をとっています(笑)すごい勢いで食べている様子を助けてくれたお姉様たちもタジタジって感じで見ています。
彼女たちは白拍子、静(御前)、月、あかりとのこと。
びわが琵琶を弾くのと言われリクエストされちゃいましたので助けてくれたのと食事を頂いたお礼に演奏をすることに。彼女たちもびわの弾く音色に合わせて一緒に踊ってくれています。彼女らの舞にポーッとしているびわ?
楽しそうに水遊びをしてる静たちの姿を見ていると、厳島での維盛・資盛・清経の三人が楽しそうにしていた時のことを思い出してしまうびわなのです。
行くところがないのなら自分たちと一緒に行かないかと誘う静。どこへと聞くと自分たちの踊りを見てくれる人がいるところだったらどこにでもっていう感じです。そんな会話をしてる最中でも京の町はたいそう物騒なことになっているみたいですよ。
「みんな言ってるわ。木曽の義仲より平家の方がまだマシだったって。(びわを覗き込みながら)不思議な色ね…でも…同じ色の目をした人がいたな」
凄い有力情報じゃないですかぁ~びわも前のめり気味になっています(笑)
その女性は丹後に戻った時に会ったと。そして元白拍子だったということも言ってるので間違いないんじゃない?
京の町では義仲の軍勢がやりたい放題。家の者を根こそぎ奪い、女性を見たら乱暴しているんだけど、彼らにとっては自分たちは命を懸けて戦ってるんだからそれなりの見返りがないとって…それって街の人たちの者を奪ったりしていいこととは違うだろうし、さすが源氏という感じですかね。(ごめんなさい、源氏贔屓の方、私は平家贔屓なので源氏が基本的に嫌いなので…)
義仲の好き勝手にごっしーは面白くない。平家を打倒してくれるからと思って称号を与えたのに…だからぁ、あなたは政には向いていないんですよ~。平家は三種の神器を持ってるから下手に手出しできないし…しかしふと思いついた。何を?
平家一門は大宰府に到着したようですが、どうもこちらも思うようにいかないみたいです。ごっしーは新たに帝を立てたらしく、それも高倉上皇様と殖子様との間に生まれた
尊成親王が後鳥羽天皇となったそうです。2人の帝がという時子様に毅然と「いいえ。帝はおひとりです」と言い切る徳子様なのです。
どうやら当てにしていたしていた緒方惟栄がごっしーからの院宣を受けたらしいという情報を聞き宗盛様パニックです。緒方惟栄は元々重盛に仕えていたのにということで交渉は資盛様に行ってもらうことに。
一方、維盛様はやはり倶利伽羅峠の一件でトラウマで体調を崩しているみたいです。
資盛様が緒方惟栄と会っています。懐かしむ緒方に平家を討つために兵を集めていると聞いたがと問いただす資盛様。年下とはいえ、やはり元・重盛様に仕えていただけあって、資盛様を丁寧にもてなしていますね(畳の上に座らせている)緒方は法皇差の命令ゆえと。「そなたは父に仕えておったろう?」ときつめに言う資盛様に
「わたくしとて、平家に弓矢を向けとうはございませぬ。それゆえどうか、大宰府からはお立ち去りを」と。平家にくしで戦うわけではないだろうし、重盛様に対する恩もあっただけに、緒方としても戦わずに済むようにお願いするしかないって感じだったのかなぁ~
大宰府からも立ち去れと言われてしまい宗盛様はじめ一門の皆様方は戸惑うばかりです。そしてそれに一番反応したのが清経様。
「京から落ち、福原を離れ、またこの大宰府からもですか」
「去らねば責めてくるだろうよ」
なぜかここで宗盛様は戦う気満々、それに賛成するのは敦盛様。しかし清経様の表情は…井戸を見つめる清経様に資盛様が戦の支度を早くせねばと声を掛けますが、清経様は完全にネガティブモードです。
「強い方につかねば自分が痛い思いをする」
「だとすれば、誠実さや実直さや恩義というものは…意味をなさぬではありませぬか」
「…我ら平家にそれがあったと?」
「あ…」
清経様を投げ飛ばし、さっさと支度をしろという資盛様。
あったと思います。今だってあると思います。ただ、それは上の世代清盛様や重盛様達の全盛期。本当はそういう思いも清経様の世代にも引き継がれなけばならなかったはずなのに、それをある意味怠ってしまったんだと思います。基本的に平家の方々は心穏やかで優しい方が多いからね。その中でも特に清経様はそうだったのかもしれませんね。
ごっしーは平家が右往左往してる様にご満悦にようです。一門の皆々様は徒歩で箱崎の津へ向かったらしい。この時代、この方たち特に女性人たちにとっては長時間歩くって本当に大変だったと思います。そんな生活してなかったんですからねぇ。
徳子様は安徳天皇をかごに背負って歩いているようです。不安な言葉を言う天皇に明るく振舞う徳子様です。清経様は相変わらずな感じですが敦盛様が少しでも明るく声をかけてくださっているのですが、ますます酷くなっていますねぇ。敦盛様は「誓ったではありませぬか。これからは我らが戦うのだと雄々しく、潔く戦いましょうと」もう戦意喪失していますね完全に清経様は。敦盛様の気持ちが切ないです。
静御前たちは海で楽しそうにしていますが、びわはなんか沈んでいる感じ?
「平家の一門はいま、海を漂うておるそうだが…」やはり心配だよね。
そして未来の目を使うびわ。
夜…箱崎の津に到着した平家の皆様だけど、陸へあがろうとすると敵がすぐやってくるので船の上にいるしかない有様。
「網にかかった魚…清経殿がそう申されておりました。(敦盛様)」
「あいつと同じ舟でなくてよかったのか?(資盛様)」
「清経殿は何やら、お人が変わられたようで(敦盛様)」
そんな会話をしてるとどこからともなく笛の音色が…
清経様が笛を吹いています。
びわも何かを見て走り出します。敦盛様は嬉しそうに自分も合奏しようとするのですがその途端笛の音が止まり、衣服に石を詰め海に身を投げてしまう清経様。
まさにびわは清経の最期を見てしまっている。どれだけびわが叫んでも清経には聞こえないし、助けに行くこともできない。体が沈んでいく中、笛だけが浮かんでくる。
「また…まただ。重盛も清盛も…びわは…琵琶には何もできない。清経…見える…見えるだけで…びわには何も…」静御前と月・あかりも今のびわに何もしてあげられない…
で、泣きすぎてえらい顔になってしまっているびわなのです。
そしていよいよ、おかあとの再会、でもそんな気分ではないかもしれない今のびわ。
せっかくの再会なのに泣きはらした顔だし…
家の前でドキドキしているびわ。気合を入れて扉を開けると女性が食事の支度をしています。思わず「おかあ」と声をかけるびわ。
どうやら本当におかあだったみたいです。しかし、おかあは目が見えなくなっているようです。触ってびわのことを見ていたと。そしてびわの本当の名前が「あさぎ」ということ。「おとうは呼ばなかった」とびわ
「あの人は…その目の色を恐れていたから。今は私がその名で呼ばれるようになったわ」
「浅葱の方…」
「会いたかった」
「見えていたのならなぜ会いに来てくれなんだ」
「私はあなたたちを捨てて越後平氏と言われた方のもとへ…」
「ならば…来るのではなかった。」
許してほしいと思いつつも許さないでいいともいう。こんな自分に会いに来てくれて感謝の言葉を言う浅葱の方。
「びわ…何もしてやれなくて…でもずっと祈っていた」
「祈る?」
「おとうのこともどうか安らかにどうか静かに、どうか…」
びわという名は自分がつけた名前だもんね。おかあと再会して改めて自分のすべきことを実感することが出来たようです。
そして、その言葉を聞いてびわは亡者の目を使う
「どうか安らかに、どか静かに…」そこに見えたものは彼岸花の咲き誇る場所に、びわの大切に思う人たち、おとう、重盛、清盛、そして清経の姿が見えた。
「何もできなくとも…祈る」おかあの言葉と、亡者の目で見た懐かしい人たちの姿に岩の気持ちも変化があったようです。
これからは平家の行く末を見届けると、見届けて祈りを込めて琵琶を弾くと。自分にもできることが見つかったと。そしておかあに感謝するびわ。再会できてよかったね。
「びわも祈っておる。おかあがここで静かに暮らせることを。どうか…どうかお達者で」きっとおかあがここからどこかに行くことはもうないはずだから、もしびわが会いたいと思えば会いに来ることはできるはず、そう思えるだけでも良かったんじゃないかな。ここにおかあが生きているということが、もし今生の別れだったとしてもびわにとっては心の支えと安寧になるんじゃないかなと思う。
そして季節はめぐり冬…
土肥実平は頼朝に平家の様子を報告しています。水島では木曽義仲の軍に打ち勝ったとのこと。水島の戦いでは知盛様が獅子奮迅の働きをしたみたいです。船と船の間に板を渡し海を制しているかの如く戦ったとか。義仲は法皇様より平家を討つように言われたけれど、「俺を征夷大将軍にしてほしい」と言う始末に、困っているようです。義仲にしてみたら自分が平家を都から追い出したんだという思いがあるだけにじゃけにされたみたいで思わず御所を焼いちゃいました。それはアカンやつやろう。挙句に後鳥羽天皇と再び幽閉されちゃってます。まったくぅ…
ということで頼朝に助けを求めてきたとのこと。
しかも義仲は頼朝を討ち、自分が源氏の棟梁になる気満々らしいとな?
頼朝困っております。討った方がいい?と政子に聞いております。そんなこと言われたら政子は「もちろんにございます!」言うやろうて当然。でも誰にそれをやらせるのか迷う頼朝に対して実平が総大将は弟君の範頼に、そして義経を遣わせては?と。
びわは西へ向かうことにすると。義仲は鎌倉の源氏に討たれたとのこと。しかしその鎌倉の源氏が次は平家を討つために西に向かうのだとか。静御前たちはびわを心配するけれど、行かねばらなんのだと。3人とお別れするびわ。
びわたちの別れの様子を偶然発見するのは伊子殿ではあるまいか?
そして舞台は一の谷の戦いです。義経軍が「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」の作戦をしたと言われているのもこの一の谷の戦いの一部です。
ここの総大将はと尋ねる義経に対し「平の資盛と申す者ですがすでに逃げ出したとか、残った平は一の谷に籠っております」
知盛様も士気を高めようと頑張っておられます。平家は知盛様、行盛様、忠度様が三手に分かれて戦っております。義経は谷を降りて奇襲をかけると。鹿が通れるなら馬も通れようって…この作品の義経はクールな感じ?所詮義経はチンチクリンの出っ歯野郎ですけど…(平家の公達たちの方が絶対見目麗しい)
敦盛様も頑張っておりますね~。重衡様が知盛様に状況を報告に。かなりヤバい状況ということで今のうちに海岸に出て舟に乗ることに。敦盛様も集合場所に向かおうとするけれど、笛を忘れたことに気付き陣に戻ってきました。
「敵に後ろを…」出た敦盛様の名言。
待合場所まで急ぐ敦盛様ですがそこにやって来たのは源氏側の武将熊谷直実。
「そこにおられるのは、名のある武将とお見受けした。敵に後ろをお見せなさるのか」
敦盛様の中にいろんな思いが駆け巡ります。そして意を決したように馬を降り、2人の戦いが始まります。びわも敦盛の戦いを見ております。敦盛様に抱き着き押し倒す直実。兜がとれた姿を見る直実、その姿は自分の息子と同じ年ごろの少年だった。何とか見逃そうとするけれど、すでに源氏軍がやってきているため、それも出来ない状態に追い込まれてしまいました。
「さっさと首を取れ。私の首を取ればそなたの名も上がろう。誓ったのだ。誓ったのだ。私は…武士として立派に…」
直実のトラウマ案件になりました。
笛の音とともに2羽のアホウドリが飛んでいます。そして直実の前には沈んでいく敦盛様の姿が…びわは「そなたらのこと、必ずや語り継ごうぞ」涙を拭いて再び旅立つびわ。
ここでは本当にいろんなことがありました。
一の谷の戦いで印象深い最期は
平知章(知盛様の末っ子)享年16歳。
舟のある場所に敗走中、知盛様が源氏軍に襲われそうになったところ、知章様と監物太郎頼方が知盛様をかばい、斬られてしまいます。自分の事は良いからと父である知盛様を逃がしました。わが子を目の前でそれも自分を助けたために死なせてしまったこと本当に知盛様の心中いかがなことだっただろうか…
平敦盛(経盛様の三男)享年16歳
須磨浦にて熊谷直実と一騎打ちになり、「名を名乗れ」と言われたときに「名を名乗らずとも自分の首を見せるがよい、そうしたらだれかわかるだろう」と。のちの戦国武将からも愛されるスーパースターでもあります。そしてこのことからその後、直実は出家してしまいます。敦盛様の父上であられる経盛様に敦盛様の笛をお返しになられたりもしてるようです。
神戸清盛隊の平敦盛様がご自分の最期を開設しております(笑)わかりやすいので是非ご覧いただきたいです。
平忠度(清盛様の弟)享年40歳
敗走中、源氏の兵に捕まる。鉄漿をしていたため平家の者とバレてしまう。
死ぬ前に歌を詠んで箙に結びつけていました。
行(ゆき)くれて木(こ)の下かげをやどとせば花やこよひのあるじならまし
(行くうちに日が暮れて、桜の木の下を今夜の宿とするならば、花が今夜の主となってこの悔しさを慰めてくれるだろう。)
平盛俊(平盛国(清盛の家人)の息子)源氏の兵である猪俣範綱を追い詰め、首を斬ろうとしたときに、懇願され、助けたにもかかわらず、油断している時に騙し討ちにあって命を落とされてしまう。まさにこういうところ源氏が嫌いなんです。首を斬らない奴が悪いという感じなんだろうけど、そいう問題ではない、無駄に人を殺したりはしないそれが平家の人たち。
そのほかにも、重衡様も敗走中(舟に向かっている時)家臣たちの裏切りにあい、挙句に馬が矢にあたり、落馬そして源氏の兵に捕縛されてしまいました。
一の谷の戦いゆかりの場所
『平清盛』縁の場所を尋ねる・神戸篇④~須磨~(敦盛様の笛(小枝(青葉)の笛)などの展示品が見れる)