阿美の本棚

阿美の好きな書籍の言葉や、最近好きな「鬼滅の刃」に関するレビューや考察(ネタバレしています)を書いています。

アニメ「平家物語」10話『壇ノ浦』

旅のすえに母と再会したびわは、改めて自分も平家の行く末を見守り、祈り続けることを決意し一門に戻る。
しかし、清経の入水に続き敦盛が一ノ谷の戦いで戦死、捕らえられた重衡は鎌倉に送られ、平家はひとりまたひとりと欠けてゆくのだった。
苦しみに耐えかねた維盛は出家を決意し、最後にびわと短い会話をかわす。

 

平家を追って福原にやって来たびわだけど、すでに平家一門は福原を去った後、ねこを拾った時の事、維盛の事を思い出しながら焼け野原の福原の町を歩いている。

 

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維盛様は完全に戦意喪失状態

 

京の維盛の館にて、家族に維盛様の行方に関して報告に家臣の武里が来ていますが、維盛様は一の谷の戦いは病気だったために参戦せず、現在は屋島にいるとのこと。子供たちは早く父上にお迎えに来てほしいというけれど…

 

宗盛様のところには、一の谷で捕縛された重衡様から書状が届いております。

重衡様は一の谷からの敗走中に馬の尻に矢が当たり落馬し、源氏側に捕縛されました。どうやら市中を引き回されたと。

 

この書状には三種の神器の返却と重衡様を交換条件となっていますが、宗盛様は三種の神器を返却しても重衡様が本当に戻ってくるかわからないしリスキーすぎる内容ということでこの取引は断ります。

 

資盛様は維盛様に鎌倉からの三種の神器の返却を断ったことを報告していますが、維盛様マジヤバい感じです。このままだと重衡様は鎌倉に送られると…そして再び戦が始まり、義経が攻めてくると資盛様の言葉に「怖い…」と維盛様。

 

「本当に兄上は子供のころから怖がりで…」南都金具させようと頑張る資盛様ですが、維盛様は涙しながら「きっと私は落ちる…地獄へ落ちる。もう終わりだ、終わるのだ平家は…海に入った清経も…こんな気持であっただろうな」

 

そんなことわかってるよ。資盛様もそんなこと痛いほどわかってるし、怖いと思っていると思います。

 

「終わらぬよう何か手を打たねば。兄上も何か策をお考え下さい」

結局、そういう風になったのも自分たちの世代の不甲斐なさでもありますよね。清盛や重盛たちが頑張った上の平家の世を継承していかねばならないはずが雅なことばかりにかこつけて、武芸を軽んじてしまったこと。それは怖がりだからとかそいうことで仕方ないとは言えない事、資盛様は痛いほどわかっている。だからあえて兄や弟に言いたくもない厳しい物言いをして彼なりに2人を鼓舞していたんだと思うのだけれど…

 

重衡様が鎌倉に到着して頼朝とご対面。

南都を焼いたことを聞かれています。

 

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頼朝も重衡様を見て「ハッ」としていましたね

 

「明かりを取るためにつけた火があおられ…その時の総大将でありました以上はあれはわたくしの…私1人の罪です。こうして捕らえられ、生き恥をさらしておりますのも、因果応報なのだと。ここに戦い、あそこに争い、人を滅ぼし、わが身ばかりを助けようとした報い。そう思い知らされております。」

 

頼朝様は重衡様を見て「牡丹の花」のようだと。政子もそう聞いていたけれど本当にそういう人だったと。頼朝様は本当は重衡様を助けたいと思っているんですけれど、平家を助けると源氏を滅ぼそうとするものが出てくると政子。

 

でも、実際のところ、頼朝は頼盛様(清盛様の弟)を助けています。

この作品では政子は怖いこと言っていますが、実際は政子も重衡様に対してとても手厚くいろいろしてくださって、夫婦とも何とか重衡様を助けるすべばないかと考えてくださっていました。結局、南都の僧兵たちの突き上げが凄くて、致し方なく引き渡しました。(ぎりぎりまで粘ってくれたみたいだけど)

 

維盛様は屋島を離れたみたいです。

どうやら逃亡したみたいです。宗盛様は「自分だけ助かるつもりではあるまいな」と言っておりますが、知盛様も資盛様も戸惑っております。

 

資盛様は徳子様に法皇様宛に平家を助けてほしいと手紙を書いてほしいとお願いしておりますが…法皇様も清盛様と同じで自分を脅かしたものを早々に許す方ではないと。

 

「それではここで平家の最期を待てと…(資盛)」

「守ります。(楽しそうに遊んでいる帝を見ながら)帝だけは…帝だけは絶対に守ります。」

 

こういう時、女性の方が強いのかもしれません。母としての覚悟というのか…。

 

そして維盛様は滝口入道というお方の所に来ております。

どうして屋島から逃れてきたのかと尋ねる滝口入道に出家したいと維盛様。

俗世に未練はないかという問いに今一度妻子に会いたいと思ったが京に入ったら捕らわれるかもしれない、出家後も生きていても甲斐はないと。

 

「もう、戦に出るのも、逃げるのも、おびえるのも終わりにしたい。それは…それは恥ずかしく、臆病なことであろうか」

「わたくしも逃れるようにここへ参りました。恋焦がれた方と別れ、そのつらさから逃れるために出家したのです。それくらいのことでという者もおるやもしれませぬ。ですが、人が耐えられる苦しみに、自分が耐えられるとは限りませぬ。維盛様が身に受けられた不運の数々、その苦しみたるや…」

 

泣き崩れる維盛様、この滝口入道というお方は出家前は重盛様に仕えていたそうです。その関係で維盛様はここにやって来たのですね。

出家し行者の姿をした維盛様の表情は心なしか晴れやかにも見えます。こういう表情を見るのはいつ振りになるんだろう…

 

爽やかな青葉の中を歩く維盛にびわの声が…振り返ると離れた川岸にびわの姿が。久しぶりの再会。びわの表情を見て維盛様。このシーン、びわの声を聞いた維盛様が以前重盛様とびわと3人で熊野詣の帰りに水遊びをした同じ川なのかも?あの時はただ楽しかった思い出だったけど、今回はお別れとなる再会なのですよね。

びわには見えるのだったな。」

「維盛。変えられぬと分かってはおるが、名を変えどこぞに隠れて静かに…」

首を振る維盛様。

「もう行かねば」

 

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いつも優しく接してくれた維盛との別れ

 

しゃがんでびわの顔に手を添えまっすぐにびわを見つめる維盛様。

「父上と同じ目の色、美しいの。」

「維盛、そなたのことも語ろうぞ。」

「私の?何もかもから逃げ出した私のことを?」

びわは、そなたのことをようよう知っておる。大切にしたい。」

「(フッ)ならば、生きた甲斐もあるやもしれぬ。」

 

未来を見る目で維盛を見るびわ。念仏とともに少し震えながらも船から海に飛び込む維盛様…

その姿を亡者の目で見届けるびわ

 

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覚悟していてもやはり死ぬのは怖いことですよね

 

「維盛。最後まで怖がりであったの」でも、維盛様もきっとびわが見届けてくれてると思ったら怖さも少しは和らいだかもしれませんね。実際、維盛様がどうなったのかはわかっていません。多分入水したのだろうということです。

 

京では以前びわをたすけてくれた白拍子3人娘が法皇様の前で舞を披露するみたいです。法皇様の所に義経が来ている。そして、法皇様が読んでいる手紙は資盛からのようですがまきの火付けにしろって…

 

桜の宴にお招きしてもらったと感謝の言葉を述べる義経

なんだかまぁ、平家物語だから義経は一見好青年に描かれているんだろうけど(私的にはやはり放送中の「鎌倉殿の13人」の義経が一番性格(くそ加減)が今までの中で史実に近いように思える)

 

法皇様は義経に京の町を任せてよかったとご満悦のようです。

「我らは、後鳥羽帝や法皇様が住まわれる都を守るのが務めにございます。」

なんかマジ嫌いなんだよね~義経って。(ごめんなさい義経好きの方々)

今日は存分に楽しむがよいぞと法皇様。

 

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静に一目ぼれな義経

 

宴では静御前、月、あかりが舞を披露しておりますが、義経静御前にポーッとしております。

静御前もまんざらでもない様子。

 

一方平家ですが、資盛がボーッと外を眺めております。

思い出すのは維盛様の舞の姿。

法皇様からの書状を待っているようですが来るはずないです。(火の焚き付けに使われちゃっていますから)

他にも書状が届いてないかと武里に確認する資盛様。

ああ、維盛様が滝口入道の所に行った時に一緒に行った仲間の1人武里という人みたいです。

「それだから、維盛の兄上が海に飛び込むのを止めなかったのだな。1人ぬけぬけと戻ってきてあとの者は皆、一緒に飛び込んだという…」

 

振り返ると、涙をこらえている武里。彼にも何か生きなければならぬことがあったのかもしれない。(死にたくても死ねない理由とかね。維盛様に命令された可能性もあるしね)

 

たんぽぽを摘んで「遊びをせんとや生れけん。戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声聞けば…」

 

なぜか自分以外の人間の声が聞こえ、ふと見る資盛様、するとそこにびわの姿が…

突然のびわとの再会に驚く資盛。びわが京にいる伊子殿からの手紙を預かって来ていたみたいです。静たちと一緒にいるびわを目撃したのは伊子殿ですもんね。

伊子殿は資盛様の事を心配していたと。

 

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この目…(笑)この2人は最高です。

 

嬉しいけれど、恥ずかしいのでまたつっけんどんな対応をしてしまう資盛。

この時のびわの目つきがいいですよね。本当にこの2人はいい関係です。

さっさと行けと言いながら、京に戻るなら返事を書くからと資盛だけど

「ここにおる。」とびわ

 

びわに自分たちの置かれている状況がわかっているのかと確認する。

信じられないというリアクションの資盛に対して

「見届けようと思うた。資盛の…平家の先を。」

「おごり高ぶって滅んでいく俺たち一族の末をか。」

「語り継ぎたい。」

「まっ、俺なんぞは登場しないだろうが。」

「する。重盛も、維盛も、資盛も、清経も皆…そなたが登場するのは殿下乗合の事件が最初であろうな。」

戸惑う資盛様(笑)

びわはそなたらに会って、そなたらを知った。だから、見て聞いたものをただ語る」

 

そうだね、ほかに人にああだこうだ言われるより、自分が感じた彼らとの生活彼らがどんな人たちだったのかを語りたいと思うよね。最初はびわも平家の人を酷い奴らと思ってみていたからね。でも重盛と息子たちと生活することで本当の彼らの人となりを知ることが出来たわけで、だからこそ見届けようと覚悟したんだもんね。祈りの為にも。

 

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束の間の穏やかな日々…

 

そして、安徳帝との再会で大喜びの帝にびわもトロットロです(笑)

ねこを見て大喜びの帝です。本当に久しぶりの徳子様との再会。

そして、まずは自身の話、おかあと再会したと報告。

ずっと自分のことを心配してくれていたと。母というのはそういう者なのだなと徳子に話すびわ。ねことの別れも近づいているみたいだ。

 

法皇様の所には従者が報告に来ています。

源範頼を総大将として、源氏の大軍が西へ出立したと。

頼朝の方にも実平が報告しています。範頼の軍勢が平家を攻めあぐね安芸へ退いたらしい。知盛様が頑張っておられるみたいです。義経を送る?と頼朝。

 

静御前は食欲がないみたいです。どうやら義経のことを案じているみたいです。

本当にそれだけなのかな?

 

平家の方は源氏が攻めてきたと右往左往の騒ぎ。

義経軍は屋島から平家を追い出したと法皇様に報告が。

 

そう、ここ数日、関東地域に電力ひっ迫の状況で「ヤシマ作戦」が再びTwitterなどで盛り上がっておりましたが、これは「エヴァンゲリオン」と浮かんでくる方が多いと思うんだけど、平家脳の私は「ヤシマ作戦」→「エヴァンゲリオン」→「屋島の戦い」→「平家物語」という風に脳内変換されております(笑)まぁ「ヤシマ作戦」の由来はほかにもあるみたいですけど、私的にはやはり那須与一屋島みたいに思っちゃいます。

 

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那須与一ですね

 

那須与一に関しての報告を受ける知盛様。

あくまでも法皇様は三種の神器を返してもらうためにあれこれ手を打っているようですが…すでに源氏は平家を全滅すべく壇ノ浦に向かったという。

 

これは個人的には頼朝は全滅にしようとは思っていなかったと思います。あくまでもそれを思っているのは義経だと思っています。

 

びわは平家一門と船に乗っています。

いよいよ舞台は壇ノ浦の戦いに突入します。

知盛様の勝鬨とともに兵たちを鼓舞しております。

「戦は今日を限りに者ども、退く心を持つな、命を惜しむな、名を惜しめ。」

 

びわはどうなっちゃうの?本当に舟に乗っているの?

いよいよ壇ノ浦の戦いまさにこれが放送される3/24は壇ノ浦の戦いその日なのです。なんという奇遇というか(放送が1週間関東・東北の地震のために延びてしまったので)凄いなぁ~。平家一門の方々の思いか?

 

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京都の木津川にある重盛様首洗いの池と柿木

 

重衡様の最期、鎌倉での生活も頼朝と政子のお陰で本当に良くしてくださったみたいですし(政子様はお世話をする女人まで当てがってくださったりしていました)、最後まで何とか助けたいと思ってくださっていた心遣いに感謝ですが、南都の僧兵たちがうるさく言うので仕方なく引き渡したという感じで最後は南都に向かう途中の京都の木津川のほとりで斬首されました。(その道中で愛妻との再会も果たすことが出来ました)

 

いよいよ次回ラストです。びわはどうなる?平家はどうなる?見届けましょう。