阿美の本棚

阿美の好きな書籍の言葉や、最近好きな「鬼滅の刃」に関するレビューや考察(ネタバレしています)を書いています。

アルジャーノンに花束を

「知能だけではなんの意味もないことをぼくは学んだ。あんたがたの大学では、知能や教育や知識が、偉大な偶像になっている。でもぼくは知ったんです。あんたがたが見逃しているものを。人間的な愛情の裏打ちの無い知能や教育なんてなんの値打ちもないってことです」
ー 中略 ー
「知能は人間に与えられた最高の資質のひとつですよ。しかし知能を求める心が、愛情を求める心を排除してしまうことがあまりに多いんです。これはごく最近ぼくがひとりで発見したんです
がね。これをひとつの仮説として示しましょう。すなわち、愛情を与えたり受け入れたりする能力がなければ、知能というものは精神的道徳的な崩壊をもたらし、神経症ないしは精神病すらひきおこすものである。つまりですねえ、自己中心的な目的でそれ自体に吸収されて、それ自体に関与するだけの心、人間関係の排除へと向う心というものは、暴力と苦痛にしかつながらないということ。
 ぼくの知能が遅滞していたときは、友だちが大勢いた。いまは一人もいない。そりゃ、たしかにたくさんの人間は知っている。ほんとうにたくさんの人間をね。でもほんとうの友だちは一人もいやしない。パン屋にいたときはいつもいたのにね。ぼくに何かをしてくれようという友だちはどこにもいないし、ぼくが何かをしてやろうとう友達もいない」



彼女にとってもっとも重要なのはいつも他人がどう思うかということ-彼女自身より家族よりまず外聞なのだ。そしてそれを正しいと思うことだった。人生には、他人がおまえをどう思うかなんてことより大事なことがあるんだとときどきマットは言いきかせていた。だがそんなことを言ってもむだだった。ノーマはよい服を着ていなければならない、家には立派な家具を置かなくてはいけない。チャーリィは、どこかおかしいのではないかと他人に思われないように家の中に置いておかなければならない。



「ぼくは実験を後悔していない」
「あたしもよ、でもあなたは以前もっていたものを失ってしまった。あなたは笑顔をもっていた…」
「うつろな愚鈍な笑顔をね」
「いいえ、あったかい、心からの笑顔よ、あなたはみんなに好かれたいと思っていたから」
「そしてみんなはぼくをかもにして、ぼくを笑いものにした」
「ええ、でもね、なぜみんなが笑うのかあなたにはわからなかったけれど、みんながあなたを笑っていられるうちはあなたを好いていてくれるんだってわかっていた。そしてあなたはみんなに好かれたかった。あなたは子供のように振るまって、みんなといっしょになって自分を笑っていた」
-中略-
「だからこそ、ぼくにとって学ぶことが重要だったんだ。そうすればひとがぼくを好いてくれるとおもった。友だちができるとおもった。こいつはお笑いだね?」
「高いIQを持つことよりもっと大事なことがあるのよ」



あとでギンピィが悪い足をひきずてきてチャーリイもしだれかがおまえを困らせたりだましたりしたらおれかジョウかフランクをよべおれたちがかたをつけてやるからなといった。おまえにわともだちがいるってことをおぼいといてもらいたいなそれを忘れるなよといった。ありがとうギンピィとぼくわいった。それで気ぶんがなおった。ともだちがいるのわいいものだな…



キアニン先生もしこれを読んでもぼくをかわいそーと思わないでください。先生がいったようにぼくわりこうになるための二度目の機会を与えてもらった事をうれしくおもていますなぜかというとこの世かいにあるなんてしらなかったたくさんのこともおぼいたいし、ほんのちょっとのあいだだけれどそれが見れてよかたとおもっているのです。それからぼくの家族のことやぼくのことがよくわかたのもうれしいです。みんなのことをおもいだしてあうまでわ家族なんかいないのとおんなじでしたけれどもいまわ家族もあることがわかっているしぼくもみんなみたいな人間だとわかっているのです。



どおかニーマーきょーじゅにつたいてくださいひとが先生のことをわらてもそんなにおこりんぼにならないよおに、そーすれば先生にわもっとたくさん友だちができるから。ひとにわららせておけば友だちをつくるのはかんたんです。ぼくわこれから行くところで友だちをいっぱいつくるつもりです。